SORA
長年熟慮を重ね導入を決意した自園給食を、平成29年9月より開始いたしました。
当施設は、ひばり幼稚園にちなんだ「大空に羽ばたく」というイメージと、
食育に限らず様々な未就園児教室等も入る施設として「SORA(ソラ)」と名付けました。
SORAでの食育活動
年少から年長まで、すべての園児が食育の正課活動を体験。
食材の特徴、正しい箸の持ち方、仲間との協力...
子どもたちは食育活動の中でたくさんのことを学びます。
(1)準備
子どもたちはそれぞれの園からスクールバスに乗ってSORAへやってきます。
グループごとにクッキングスタジオへ入り、手を洗い、エプロンと帽子をつけて活動の準備。
食育に対するワクワクした気持ちが表情からも伺えます。
(2)食育活動
元気なあいさつから始まり、活動内容の説明を聞きます。
ひばり幼稚園で食育を担当するのはコック姿の専門指導員。
先生は子どもたちの自主性を尊重しながらサポートします。
(3)昼食
食育が終わると、クッキングスタジオからランチルームに移動し、自分たちでつくった料理と給食を「いただきます」。
食育の日を心待ちにしている園児も多く、帰りのバスの中ですでに「次は何?」と尋ねられることも。
SORAの配送システム
あたたかくおいしい給食を提供
3つの園の園児、職員、預かり保育の子どもたちを合わせると、SORAが1日に提供する給食はおよそ700名分。HACCP(ハサップ)システムを導入し、安全安心に万全の体制を整えています。
HACCPの概念に基づいた大量調理施設衛生管理マニュアルによると「調理終了から2時間以内に喫食することが望ましい」とあるため、SORAから車で約20分の距離にある園へ給食を届けるためのオリジナル配送手段を考えました。
※HACCP(ハサップ)とは、安全性を確保するための衛生管理手法。
SORAへの想い
”食べ物の大切さ”を
理解する
私たちは、以前から園内の農園で園児と一緒に野菜を育て、折に触れて食べ物の成り立ちを伝える食育活動を続けてきました。ある年のお泊り保育で、給食の委託や受託を行っている企業にご協力いただき、仮設の厨房で園児たちと一緒に調理に挑戦しました。その時に子どもたちの輝く表情を目の当たりにし、ひばり幼稚園でより充実した食育活動を実践したいと願うようになりました。
完成したSORAには、食育を行うクッキングスタジオや厨房、ランチルームなどがあり、3つの園から1回あたり60名前後の園児たちが前半、後半に分かれて訪れ、食べ物について学んだり調理を行う食育や給食を楽しんでいます。
自園給食については残食が減り、保護者からも「家庭でも好き嫌いがなくなった」という声が寄せられています。子どもは素直ですから、おいしければ「残さず食べましょう」と声をかけなくてもどんどん食べてくれます。ほかにも、ご家庭で子どもたちが感謝の気持ちを伝える機会が増えたと聞いております。「感謝しなさい」と口で言ってもなかなか伝わりませんが、食育を通じて、食やまわりの人への感謝の気持ちが芽生えたのではないでしょうか。
私たちも食育に深く取り組むことで、これまで以上に自分たちの教育に自身が持てるようになりました。これからも子どもたちの笑顔につながる「SORA」、そしてひばり幼稚園の食育でありたいと願っています。
SORAの活動について
2018年度
キッズデザイン賞を
受賞いたしました
ひばり幼稚園の食育プロジェクトが、2018年度キッズデザイン賞を受賞いたしました。
これからも子ども達のための環境作りに尽力して参ります。どうぞよろしくお願いいたします。
川越ひばり幼稚園の食育 SORAに関する動画はこちらからご覧いただけます。
SORAのマークの意味
四つの丸はそれぞれ食に関連した空(空気)・火(太陽)・土(大地)・緑(自然)をイメージしています。
施設紹介
HIBARI Cooking Studio
食育のメインスペース。ここで子ども達が食育を行います。
調理だけでなく、野菜染め等の活動を行うことも。
子ども達は踏み台の上に乗って調理をします。調理台は大人も使用できる高さになっているので、踏み台を収納すれば保護者の方も使用できるので、親子対面式で使用することも出来ます。
又、出し入れしやすいようローラーがついていますが、踏み台の側面にローラーが来るように設計してもらったので、置いた時に動くことなく安全に使用することが出来ます。
調理する手元が暗くならないように、照明の光の強さ(照度)にこだわってライトを設置しています。
外からクッキングスタジオに入り、最初に洗うシンクは自動水栓を採用。汚れた手で蛇口をさわることがないため衛生的です。
大人用と子ども用の2種類を設置。同じテイストで揃えることで、空間全体に統一感が生まれます。
厨房の高さは将来の親子クッキングを見据えて大人でも使用できる高さに。そのため園児は踏み台を使って調理を行います。オリジナル踏台は園児が乗っても動くことはなく、安全性も抜群です。
光にもこだわり、いくつかの料理教室へ見学に。最終的に建物内の灯りは、あたたかさや食べ物がおいしく見えることを重視してLED電球で統一。LEDの中でも、子ども部屋や作業デスク等に向いている昼光色を選択しました。
厨房
「見せる厨房」をテーマに設計。床は一見すると木材に見えるビニールのシートでできているため、衛生面にも優れ、日々のお手入れも手間がかかりません。
厨房で作業をしているところが子どもたちから見えるように調理機器の配置を工夫しました。
ランチルーム
やわらかい色調で統一したランチルーム。楽しく食べるためには、雰囲気も重要な要素です。
ランチルームの椅子はあえて背もたれ設計の「ピットチェア」を採用しています。 子ども達が座るだけで自然と背筋がぴっと伸びるような椅子になっているので、正しい姿勢で食事をすることが出来ます。
食品衛生法に適合した安全性を備え、食べ物をおいしく見せる絵柄の食器。
ランチルームと厨房をつなぐ壁に施された「ふれあい童画」。豊かに実をつける「かりんの木」は石の素材を貼り付けてあり、子どもたちは自由に触れることができます。
保育室(かき・びわ)
ひばり幼稚園に昔から植えられていた守り木の名前を部屋の名前として使用しています。
サインのイラストで傾いているイラストがあるのは「子ども達ひとりひとりの個性を大切にしたい、みんなそれぞれ違っていて良い」といった意味が込められています。
テクノストラクチャー工法
木造平屋建てですが広々とした空間を作る為、はりに金属を使用して補強する「テクノストラクチャー工法」を使用して作られたので、柱の数が少なく作る事が出来ました。
又、地震にも強い工法でもあります。